ヤガラにヤラレやがった!

伊織智佳子

2006年12月01日 18:13



●アカヤガラ(トゲウオ目ヤガラ科)





 学名:Fistularia petimba





 体長2m。体は赤色。両眼間隔は深く窪む。
 東部太平洋を除く全世界の暖海、やや沖合の深みに生息。





 淡泊な白身の高級魚で、刺身、椀種として珍重される。



  臭いものには旨いものが多いのも事実だが、
  グロいものにも旨いものが多い!・・・これもまた事実だ!


 “熊本産赤やがらの昆布〆サラダ仕立て”
 Mシェフの店のメニューに小粋な名前で登場していたが
 ワタシが気になったのは“熊本産”の部分!火の国魂がふつふつと
 沸いてくるのを感じ、オーダーしようか迷っていたら・・・
 見せてくれたのが、この頭だった。


  すごい・・・! なにコレ〜!!!!


 30センチ以上はある長い顔は硬い殻で覆われている。
 工業製品のような緻密な模様が美しい!

 その顔を手にして大騒ぎしていたら、その後合流した友達は・・・

 「あ、ヤガラ?」 と、こともなげに言ってのけた。


 ダイビングを趣味とする彼女曰く、仲間の“アオヤガラ”は、
 海で遭遇することの多い魚なのだとか・・・!
  
 でも、ヤガラを食べるのは彼女も初めて!
 口に運ぶと・・・なんとも言えない香りと、
 しっかりとした歯応え!
 噛むごとに甘みが増し、カニやエビのような風味もある!




  おいし〜!!!

 これはきっと、塩焼きにしたらさらに香りが増すのでは・・・と
 Mシェフに訴え、3枚におろした真ん中の骨の部分を炭火で
 焼いてもらうことに・・・♪


 そうこうしているうちに、もう一人友達が合流。
 彼女も「ヤガラじゃ〜ん!」とあっさり言うのに驚いたが
 とりあえず、一緒に骨の塩焼きをしゃぶった。

  うまいっ! うますぎるよ〜!! 

 程よい脂のノリ具合☆ 案の定香りはさらにアップ!
 焦げた皮は、ちょっとプルっとした食感で味わい深い。
 (食べるのに夢中で写真撮ってない・・・)

 「これはきっと、雑炊のダシにしたら最高だね☆」
 「お醤油で食べた〜い!」「やっぱ握りじゃない??」・・・などと
 イタリアンのお店で勝手なことを言う私たちにMシェフは呆れ顔・・・。
 
 そんなことはお構いなしに、アカヤガラで大いに盛り上がった私達は、
 その後、長〜い顔を聖火リレーのトーチのように掲げて松本駅前を歩き、
 怪訝そうな顔をするオジ様たちの視線を横目に、意気揚々と別の店に
 向かったのでした・・・♪


 すごいよヤガラ!

 一夜にして私は、すっかりヤガラの虜。
 いつか“ヤガラParty”を開きたい!


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